日本では、日々様々な労働問題が取り上げられており、それに伴ってワークスタイルを変化しつつあります。
企業が従業員の為の制度や働き方を見つめなおしていく中で、一つ考えておきたいのが社会保険です。
複数の制度で構成されているため、分かりにくい点も多々あります。それぞれの制度について加入要件などを正しく理解しなくてはいけません。
・社会保険とは
・労働保険、社会保険の種類
・各種保険の加入条件
・各種保険の手続き
など様々な角度から解説します。
目次
1.社会保険とは
2.労働保険、社会保険の種類
3.各種保険の加入条件
4.各種保険の手続き
5.まとめ
1.社会保険とは
社会保険とは、労働者の生活を保障することを目的としたもので、事業形態や会社の規模によってそれぞれ加入が義務付けられています。社会保障の分野の一つであり、疾病、高齢化、失業、労働災害、介護などの事故(リスク)に備えて、保険によるカバーを受ける仕組みです。
社会保険には労災保険、雇用保険、公的医療保険、公的年金、介護保険があります。
広義に解釈すればこれらすべては社会保険ですが、給与計算上では労働保険と社会保険に分けられます。
2.労働保険、社会保険の種類
■労働保険
「労災保険」・・・業務災害及び通勤災害に遭った労働者、又はその遺族に給付を行う制度。
「雇用保険」・・・失業、雇用継続等に関する制度。
■社会保険
「健康保険」・・・医療機関の受信により発生した医療費の一部、又は全部を給付する制度。
「介護保険」・・・一定年齢以上になり介護が必要となった時に、医療や福祉サービスを提供する制度。
「厚生年金保険」・・・高齢、障害などによって働けなくなった場合に本人、又は遺族に給付を行う制度。
3.各種保険の加入条件
■労災保険・・・
対象となるのはすべての労働者で、パートやアルバイトなどの正社員以外の労働者も含まれ、事業所で一人でも従業員を雇ったら、必ず加入する必要があります。
■雇用保険・・・
基本的にはすべての労働者が対象になりますが以下の方は適用除外です。
・雇用見込みが30日以下の従業員
・週の労働時間が20時間を下回る従業員
・2つ以上の会社で働いている方の場合(主たる賃金を受け取っている事業所で雇用保険にはいるので二次的な会社では雇用保険に加入する必要はありません。)
また、雇用保険では被保険者を一般被保険者と4種類に分類しています。
・「高年齢被保険者」65歳以上の労働者。
・「短期雇用特例被保険者」雇用期間が4ヶ月以上1年未満であり、週の所定労働時間が30時間以上の労働者。
・「日雇労働被保険者」日雇いまたは30日以内の雇用契約をしている労働者。
■健康保険と厚生年金保険・・・
会社や常時5人以上の従業員をしようしている個人事業所では、従業員を健康保険に加入させる必要があります。
パートやアルバイト社員も対象となりますが、勤務時間と日数が正社員の4分の3未満の場合には加入の必要がありません。
ただし、以下の5つの条件を満たす方は加入義務が発生します。
・週の所定労働時間が20時間以上
・雇用期間が年以上の見込み
・月額賃金が8.8万円以上
・学生以外
・常時501人以上が勤務している企業
■介護保険・・・
介護保険に加入義務のある以下の労働者を雇用している場合、会社が介護保険料を徴収しなくてはいけません。
・40歳以上65歳未満の健康保険に加入している方。
・65歳以上の方。
4.各種保険の手続き
■労災保険・・・
初めて従業員を雇用した日が、労災保険の加入日となります。
原則として、加入日から10日以内に労働基準監督署で加入手続きを行います。
手続きには下記書類が必要になります。※労働基準監督署で必要書類を入手可能です。
・労働保険 保険関係成立届
・労働保険 概算確定保険料申告書
・登記簿謄本
■雇用保険・・・
従業員が入社した日の翌月の10日までにハローワークで加入手続きを行います。
手続きには下記書類が必要になります。※インターネット上から入手可能な様式は下記からダウンロード可能です。
・雇用保険適用事業所設置届
・雇用保険被保険者資格取得届
・雇用保険被保険者証
・登記簿謄本
・雇用契約書
・賃金台帳
・労働保険 保険関係成立届事業主控
■健康保険と厚生年金保険・・・
従業員が入社した日の5日以内に年金事務所で資格取得手続きを行う必要があります。
手続きには以下の書類が必要となります。※インターネット上から入手可能な様式は下記からダウンロード可能です。
・健康保険厚生年金保険新規適用届
・健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届
・登記簿謄本、出勤簿・賃金台帳
・健康保険被扶養者異動届(被扶養者がいる場合のみ)
・厚生年金被保険者ローマ字氏名届(外国籍従業員の場合のみ)
・国民年金第3号日保険者ローマ字氏名届
■介護保険・・・
40歳になった時点で自動的に徴収されるため、手続きは不要となります。
5.まとめ
以上、従業員が入社した際に必要な各種保険の手続きについてご紹介しました。中には提出しなければ罰則を科されるものもあるので注意が必要です。
まとめて作成・提出することで効率良く手続きを進めましょう!
当社ホームページには企業様に有益な情報をブログにて掲載しておりますので是非ご覧ください!
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