【人事担当者向け】問題社員のパターンと面接方法

採用豆知識

■問題社員の共通点

「採用してはいけない人」とは、どんな人を指すのでしょうか。
会社ごとに求める人物像があり、組織風土に合う・合わない、相性というものがあります。
その中で各社が「問題としている社員」について纏めてみました。

①他社否定、自己否定の「精神的こども(1)」パターン

まずは、最近圧倒的に増えた、何かあれば決まって周囲を批判する「他社攻撃型」、アドバイスにすら反撃する「自己主張型」社員です。
彼らの言動パターンが以下になります。

・自分の行動やミスに対する責任を取らずに、何か問題が起こったり、うまくいかないことがあると、それらをすべて他人や環境のせいにする。
・自分の行動に対して責任転嫁(責任回避)をしたり、自分のミスや短所を棚に上げて他人を厳しく非難する。
・無責任な言動や他罰的な振る舞いによって、最終的には周囲に嫌われ、孤立する。

もしくは一見素直で従順でも、実は「最後は自己主張」するパターンです。

・相手に対して、指示や援助を求めながらも、相手がアドバイスや助言をすると「はい、でも」という反対意見や不同意を述べる。
・相手がどんな意見や提案を出しても、それに従わない反論や言い訳をするため、相手はうんざりしたり、無力感にとらわれたり感情的になって怒ってしまう。

これらのパターンには、いずれも他社否定の態度が根底に見受けられます。

②基本的な社会人生活に支障をきたす「精神的こども(2)」パターン

大人という意味では、社会に出るまでに、身につけているべき発達課題をこなすことができていない方は、採ってはならない人といえます。採用担当者が、仕事ができるできない以前に、挨拶や最低限のマナーを面接の際に重視するのは、至極当然でもっともなことです。

・自分の生活を意識的にコントロールできる人。過去よりも、現在にしっかりと結びつけられて生きており、自分の行動と方向づけ、運命を引き受けることができる人。
・自分は何者であり、自分は何かについてよく知っていて、自らを発達させていく成長動機を持っている人。
・静かで安定した人生よりも、挑戦と興奮を伴う人生を歩もうとする人。新たな目標や経験にチャレンジする人。
・他者の影響を受けない、その人だけの独創的な考え、他社が感じることのできないユニークな面を持つ人。

この項目すべて網羅している完璧な人間はいないかもしれませんが重要性を理解して、それに向かって努力を重ねている方は、ある意味「大人」といっていいかもしれません。

③いわれたことしかできない指示待ち、受け身パターン

最近、増えているもう一つの問題社員のパターンが「指示待ち族」「受身型」というものです。
もちろん、受身型の社員、指示待ち族の存在は、何も今に始まったことではありません。先輩、上司から見れば新人は、往々にしてこのように映るのかもしれません。しかし、もしかしたらその絶対数が多くなってい入るのではないか、と企業教育や大学教育の現場で感じずにはいられません。

④まわりにかまってもらえない面倒くさいパターン

幼少期、学生時代に起こる問題=ハードルを飛び損なってしまい、そのまま飛び直すこともなく大人になってしまった人は、少し「面倒くさい人」になってしまうかもしれません。もちろん、誰もがひとつや二つのハードルを飛び損ねることがあります。企業として、そのハードルを飛び直すチャンスを与えらるのであればいいのですが、そうでなければ、飛び損なったハードルを抱えたままの方は、企業としては「採ってはならなかった人」といえるかもしれません。
「面倒くさい人」の問題点としては、周囲が関わってくれたり、育てようとしてくれなくなるからです。

⑤熱心だが結果を出せない空回りパターン

入社後に育てる覚悟を持って採用するということであれば、なおさら「面倒くさい人」以上に、周囲が手を焼くパターンがあります。それが「空回りパターン」です。
いくら本人にやる気があっても一向に成果に繋がらない、成果につながらなくても「がんばります」といって、前向きに努力している人間に、先輩や上司はそれ以上の指摘をすることが困難になってしまうからです。

■書類選考で見極める

「年齢」「積極性を感じない」「自己PRの内容が薄い」「転職回数が多い」など書類選考の段階から要件を厳しく搾りすぎると、最も大切な接触機会を大きく損なうこととなります。

まずは会うことを前提に書類選考を行うのが採用成功の近道といえます。

■面接で見極める

受験者には、能力を語らせるのではなく、行動を語らせる。これが大切になってきます。

①面接の手順

ステップ1.事前準備
ステップ2.導入・・・事前資料から、被面接者の基本情報を確認し、面接のイメージをつくる。被面接者の緊張を解くようにする。
ステップ3.人物概要の確認・・・過去の行動をベースに、本人の取り組みの事実を中心に確認する。
ステップ4.掘り下げ・・・効果的な掘り下げ質問と収穫すべき情報。
ステップ5.エンディング・・・話しそびれたことを話す機会を与えて、応募者の不安や疑問を解消する。労いの言葉をかけ、気持ちよく帰ってもらう。

事前準備や導入部分ではなく、掘り下げ部分が面接の要になります。
・「聞く」のではなく「訊く」ことを意識する。
・会話は横にもっていかず、縦にもっていく。
・何か一つの項目に対して徹底的に具体的に訊いていくようにする。
・応募者自身の言葉で、「より多く」「より深く」語らせる。
上記を意識して、その応募者の人となりを見極めましょう。

②様々な面接の手法

[圧迫面接]
・突然怒り出したり議論を吹っかけたりして、受験者を自然な状態でいられなくすることで、その反応を見ようとする。
・人選問題になったり、かえってよい人材を逃したりする可能性がある。
[ロールプレイング面接]
・例えば、営業と顧客に分かれてやりとりをさせたり、上司と部下になって会話をさせたり、クレーム対応に対するロールプレイングをさせる。
・うまい下手ではなく、達成意欲や粘り強さ、対応力やアイデアといった、基本的な態度を確認する。
[コンピテンシー面接]
・過去の経験を話させ、その際の原因や理由、プロセスを丁寧に聞くことで、その行動特性を浮かび上がらせる。
[プレゼンテーション面接]
・自分自身を売り込ませたり、何かの商品を売り込ませて、表現力や説得力、アイデアを見る。
・ただし慣れが営業するし、ロールプレイング面接同様うまい下手で判断しない。

今から20年ほど前「圧迫面接」が流行しました。その人の本質を見たいからといって、応募者も人格を持った尊い人間です。圧迫面接はフェアではないし、その会社の民度の低さを晒すだけです。ましてやこのネット時代、安易な発言は、瞬く間にネットを介して情報発信されます。応募者の本質が見たいのであれば、もっと他にやり方があるはずです。

たとえば、ロールプレイング面接です。
現場で、部下を育成してきた経験があれば、ロールプレイングでもある程度の行動がとれるはずです。
同様に、営業の即戦力を採用するのであれば、エントリーシートに羅列された営業経験に振り回されるのではなく、実際に自社の商品・サービスの情報を提供したうえで、顧客約を相手に営業トークのロールプレイングをすればよいのです。会社に入って即戦力として求めることを、実際にそこで実演していただくのです。ですから一番手っ取り早い採用試験になります。
また、面接官が観察者に回れるため、質問を考えなくてすむし、観察に集中することもできます。どちらかというと、新卒よりも中途採用にはお勧めの方法かもしれません。
「受身」パターンや「空回り」パターンは、ここでその受身度合いや空回り度合いが露呈されることになるでしょう。

③集団面接の注意点

実施せざるを得ないのであれば、一人ひとりの応募者に対して、質問する内容を変えてください。
例えば、応募者が5人いる場合、常に5番目に回答する方が一番有利ということになります。他の応募者が話している間に、次に何を話すか考えることができるからです。

■最後に

会社にとって優秀な社員は育てていかなければいけません。
そして、会社は社員のモチベーションのために、1人1人のモチベーションアップ環境を整えていく必要があります。

ただし、ある程度の素養を持った人材であれば、自ら考え、自ら動き、前向きに進んでいく力が備わっています。
人事担当者は、今回ご紹介した内容を理解したうえで、核となる人材をみつけられるように良い採用面接を行ってください。
優秀な人材が獲得できる準備作りの考え方を押さえておきましょう。

 

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